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2014年8月21日木曜日

Waltz for Monochrome

 今回の個展はWaltz for Monochromeという題名をつけてみました。モノクロームフィルム、フィルムカメラ、そしてフィルムで撮影する人の三拍子が揃って初めて成立する写真展なのです。いずれも絶滅寸前ですが、特にモノクロームフィルムが危険です。今年になって富士フイルムのNeopan 400 Prestの生産中止やKODAKのTri-Xの品薄と大幅値上げなど状況の悪化に歯止めがかかりません。しかしモノクロームフィルムの味わい深い画質はデジタルカメラでは出せないのです。とくに二眼レフなど中判カメラの画質に匹敵するデジタルカメラはまだ少数でしょう。何とか頑張ってモノクロームフィルムで撮影し続けたいと思っています。
 それからもう一つ、モノクロ写真には古いアコースティックなJazzがとても良く似合うのです。お気付きの方も多いのではと思いますが、今回の写真展で流す音楽はもちろん!Bill Evansの代表作「Waltz for Debby」で決まりでしょう!言うまでも無いことですがこのアルバムは世界遺産に登録したいくらいの名盤です。何気なくBGMに流しても優しく美しい音楽ですが、じっくり聞き込むとそのほの暗さ、奥深さ、情感の豊かさに胸が締めつけられます。1961年6月25日の録音ですが素晴らしい音質で、この日のライブハウスの空気まで感じ取れるようです。
 モノクロ写真で喩えるのも何ですが、やはり音楽はアコースティックが良いですね。ピアノはハイライト、ベースはシャドウ、ドラムスはフィルム粒子を思い起こさせます。
 ところでこの写真は盛岡市の旧石井県令邸で撮影しましたよ。今回はモデルさんの後ろ姿を配置してみました。この女性のポートレートも写真展では展示していますよ。

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